プロダクトに特化したインタビューメディア
2023.09.22
104 PV

mirre

美容業界のDXを推進!スタイリストの働き方を変える「mirre」の誕生秘話と今後の展望

株式会社FUTURE GATES

プロダクトを語る人
株式会社FUTURE GATES
執行役員
松原 健一郎

美容クリニック・サロンの運営を行う株式会社FUTURE GATESは、2021年よりマッチング型のスタイリスト予約サービス「mirre」を提供している。

コロナ禍で危機に陥ったサロンを救うために誕生したという同サービス。ユーザーであるスタイリストの横尾氏は「とても便利なアプリ」だと話す。

従来の予約サイトとはどこが違うのか?マッチング型とはどういうことなのか?今回は、サービス立ち上げから携わっている松原氏と横尾氏を招いて、「mirre」が誕生した経緯と今後の展開について話を伺った。

「助けたい」の思いから生まれた「mirre」

—【聞き手:松嶋、以下:松嶋】はじめに、自己紹介をお願いします。

—【話し手:松原 健一郎氏、以下:松原】松原 健一郎と申します。トラストゲートグループの執行役員として、グループ会社の株式会社FUTURE GATESで展開している「mirre(ミラー)」というサービスの運営に携わっています。

—【話し手:横尾 早紀氏、以下:横尾】横尾早紀です。都内でフリーランスのスタイリストをしています。5年間サロンで働いて、約2年前から個人事業主になりました。

—【松嶋】ありがとうございます。本日は「mirre」についてお話いただけるとのことで、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。

—【松原】“自分らしさ”を叶えてくれるスタイリストに出会いたいお客さま、こだわりを表現したいスタイリストさん、空いているスペースを貸し出したいサロンという三者をつなぐサービスです。

横尾さんのようにフリーランスとして活躍するスタイリストさんが年々増えているのですが、お客さまとしてはたくさんいる中から自分に合った人を見つけ出すのは、非常に難しいことでもあると思うんです。スタイリストさんからしても、SNSなどでの集客に苦戦している方が少なくありません。両者の課題を解決するサービスとして、お客さまとスタイリストさんのマッチングサービスを提供しています。

また、フリーランスで活躍しているスタイリストさんは、面貸しとしてサロンの空いているスペースを活用されることがあります。「mirre」では、仕事をする場所が必要なスタイリストさんと、空いているスペースを有効活用したいサロンのマッチングも可能です。

─【松嶋】なるほど。サロンとのマッチングもできるというのは便利ですね。「mirre」が誕生したきっかけはなんだったのでしょう。

─【松原】トラストゲートグループの代表である坂元の知人が経営するサロンが、コロナ禍で危機に陥っていると聞いたことがきっかけです。国から不要不急の外出を控えるように呼びかけられていたので、お客さまが全く来なくなってしまった時期があったそうで。売り上げがないとはいえ、従業員への給与は支払わなくてはいけない。その話を聞いた坂元から「なんとか助けられないか」という相談を持ちかけられたんです。

そこから美容業界について調べる中で、さまざまな課題があることに気がつき、私自身がマッチングアプリの開発に携わっていた経験があったことから「mirre」のサービスを思いつきました。

長時間労働や無断キャンセル…美容業界が抱える複数の課題

─【松嶋】美容業界の課題というと?

─【松原】さまざまなものがありますが、私たちが一番解決するべきだと考えているのは、業界で働いている方が抱えている将来への不安感です。

─【松嶋】離職率がとても高い業界であるとも言われていますよね。

─【松原】ええ。就職して最初の2~3年が特に辛いらしく、朝早くに出勤して練習して、仕事が終わったらまたカットの練習をするという。全てのサロンがそうだというわけではありませんが、長時間労働が根付いている業界ではありますよね。加えてアシスタントの時期は給与が低いとなると、離職率が高くなるのは仕方がないことなのかなと……。

─【松嶋】なるほど。サロンで働かずにフリーランスとして働くスタイリストさんが増えているというお話もありましたが、個人で働くとなるとまた別の課題が出てきそうですね。

─【松原】そうですね。フリーランスのスタイリストさんに設備を貸し出すシェアサロンも増加しているのですが、中には「儲かればいい」というオーナーや企業もゼロではなくて。せっかくフリーランスとして働き出したのに、シェアサロンや面貸ししているサロンとのトラブルに巻き込まれるケースもあると聞きます。スタイリストさんを保全する仕組みがない状態であることは、解決すべき課題の一つです。

─【松嶋】具体的にはどのようなトラブルがあるのですか?

─【松原】支払いについて揉めることが多いようです。全て料金に含まれると最初に言われていたのに、「この商品は別でお金がかかる」と支払い段階で聞かされるとか、鏡があいていないのに予約を取ってしまったというトラブルもあります。人気のスタイリストさんほど、予約管理が大変だと聞きますね。

─【松嶋】なるほど。横尾さんは、フリーランスとして働く中で課題だと感じることはありますか?

─【横尾】集客の難しさは課題です。SNSで発信するスタイリストさんが増えて、お客さまの選択肢が増えている分、何かに強みがないと生き残れない時代になっていますね。SNSやメディアでの発信が増えていることでお客さまの求めるレベルが年々高くなっていて、メーカーもいいものをどんどん出していますし、新商品を使いこなせないと時代に取り残されてしまいます。情報をキャッチアップするのは、楽しいけれど大変なことでもありますね。

また、無断キャンセルも大きな課題です。予約が入ると“その枠が埋まった”状態になるので、他のお客さまからその時間に依頼があったとしてもお断りするしかできません。それなのに、無断でキャンセルされてしまうと、こちらの収入はゼロになります。その枠で依頼をしてくださったのにお断りしてしまったお客さまのことも考えると、1.5倍損する形になってしまうんです。

─【松嶋】無断キャンセルは飲食店や観光業界でも問題になっていますよね。

─【横尾】個人で働いている方にとって、無断キャンセルは本当に大きなダメージを負ってしまう問題です。

業界を問わず共通している課題でいうと、予約サイトの掲載費の高さも問題視されています。集客効果はあるのですが、フリーランスや個人サロンからしてみると、負担も大きくて……。掲載をやめたいけれど集客のことを考えるとそうもいかない、という状況になっているところも少なくないように思います。

─【松原】初回限定のリーズナブルなクーポンを利用するために、さまざまなサロンを渡り歩いている方もいると聞きますし、クーポンには一利一害がありますよね。

DXを推進し、関係者全員が幸せになる仕組みを提供

─【松嶋】「mirre」を通して、実現したいことについてお話いただけますか。

─【松原】冒頭でもお話した通り、“自分らしさ”を叶えてくれるスタイリストに出会いたいお客さま、こだわりを表現したいスタイリストさん、空いているスペースを貸し出したいサロンという三者の適切なマッチングの実現ですね。それが現実になることで、「いいものを提供して、適切な報酬をいただく」という世界になっていくのではないかと考えています。

現在の予約サイトはクーポンを売りにしていることが多く、安さと立地の良さで勝負をする形になっていることが多いでしょう。

─【横尾】お客さまからしても、予約サイトの仕組み上、安さで判断するしかないというのはありますよね。また、検索結果で上位に出るほど集客効果が見込めますが、それを実現するためには金額の高い掲載プランにする必要があります。先ほどの話と重複しますが、サービスを提供する側の負担が大きい状態なんです。

─【松原】お客さまからすると「自分のこだわりを叶えてくれるかどうかは、実際に行ってみないとわからない」というガチャ的な要素があり、サロン側は割引競争が発生しがちです。安いことが悪いと言いたい訳ではありませんが、サロンの在り方を考えると、安さで勝負をするのは本質的ではないと思います。

─【松嶋】予約サイトは非常に便利なサービスですが、安さを売りにしてしまうと、誰かに負担がかかってしまう可能性があるのは否めませんね。

─【松原】ええ。だからこそ、私たちは「mirre」を通して、関係者全員が幸せになる仕組みを提供したいと考えています。

また、スタイリストさんの働き方の自由度をさらに上げていくことにも貢献したいですね。

─【松嶋】働き方の自由度というと?

─【松原】横尾さんのようにフリーランスで働いている方以外に、正規雇用ではない働き方をされているスタイリストさんもいらっしゃるんですよ。週末だけスタイリストとして働いている方もいらっしゃいますね。第一線でバリバリ働く、余暇の時間として好きなことをして働く、という形で二極化している面もあります。ただ、現状としては、自身の働き方に納得できている方は少ないのではないかと。

そもそも、美容業界はレガシーな面が多く残っていて、新しいサービスが浸透し辛い業界でもあるんです。これまでにもさまざまなサービスが作られては淘汰されてきていて、DX化があまり進んでいません。

ITなどのフリーランスが多くいる業界に目を向けると、さまざまなサービスが受け入れられていて、それによって個人のライフスタイルに合わせた働き方が実現できるようになっていますよね。私たちには、IT業界に身をおいている人間だからこその知見があります。その知見を生かして、ゆくゆくは「mirre」を通して働き方の自由度を上げるようなサービスを提供することもできるのではないかと考えています。

自分だけのスタイリスト予約を可能とする「mirre」

アプリ一つで全て完結!シンプルかつ便利な機能でDXを推進

─【松嶋】「mirre」について、どのようなプロダクトなのか、改めてご説明いただけますか。

─【松原】予約から決済まで、アプリ一つで完結できるプロダクトです。スタイリストさんからはシステム料として月額500円と決済手数料をいただいていて、お客さまとサロン側は無料でご利用いただけます。

現在では、アプリで決済ができるサービスが珍しくなくなりましたが、美容業界向けアプリの中で決済機能を実装したのは「mirre」が最初だと思います。施術後の決済ではなく、事前決済にしているのも特徴ですね。

─【松嶋】なぜ事前決済にしているのですか?

─【松原】先ほど横尾さんがおっしゃっていたような無断キャンセルが発生しないようにするためです。スタイリストさんが損をかぶることがないように、「mirre」として環境補填をする。メニュー変更によって施術代が変わった場合にも、アプリ内で処理ができます。

レジが混み合っていて待たないといけないとか、レジやクレジット端末機のエラーで決済が完了するまでに時間がかかるといった事態を避けられるのもメリットですね。現在はクレジットカード決済のみですが、ゆくゆくは大手の電子決済サービスも導入しようかなと考えています。

ちなみに、サロンの施設利用料についても「mirre」内で自動的に振り分けられます。サロン側からすると、空いている空間を有効活用できて売り上げ向上が期待できますし、決済時の事務的な作業を減らすことにも繋がります。

─【松嶋】まさにDXだと言えますね。決済以外には、どのような機能があるのですか?

─【松原】AIによるマッチング機能もあります。お客さまにヘアタイプ診断を受けていただき、それをもとにAIが相性のいいスタイリストさんを紹介する仕組みです。スタイリストさんにも診断テストを受けていただいていて、裏側では緻密なロジックを組んでいるため、比較的精度の高いマッチングを提供できているのではないかと。

─【松嶋】具体的には、どのような診断テストなのでしょうか?

─【松原】現時点では全18門のテストで、「同意する」「どちらかというと同意する」「どちらとも言えない」「どちらかというと同意しない」「同意しない」といった5つの選択肢から回答を選んでいただく形式です。質問は価値観や趣向のチェックがメインとなっていて、心理テストのような感覚で気軽に取り組んでいただける内容になっていると思います。

─【松嶋】価値観や趣向が合う人とマッチングできるのは、お客さまにとってもスタイリストさんにとっても嬉しいことですよね。

─【松原】そう言っていただけると嬉しいです。SNSや予約サイトでスタイリング事例を見られる時代ですし、自分好みのスタイリングを見つけるのはそんなに難しいことではないと思うんです。しかし、好みのスタイリングができて、かつ価値観が合うスタイリストさんを見つけるとなると、とても難しいことですよね。実際に話してみないとわからないですし、そのためにいろんなサロンに通うというのも大変です。「mirre」はAIマッチングの他にチャット機能も搭載しているので、事前のやり取りを通して、価値観の合うスタイリストさんを見つけやすくなっていると思います。

スタイリストファーストで機能を実装

─【松嶋】利用者として「mirre」についてどう思いますか?

─【横尾】とても便利なアプリだと思っています。集客にもつながりますし、AIマッチング機能があるので、価値観の合うお客さまと出会えるのは素晴らしいことだなと。事前支払いで無断キャンセルの心配がないのもありがたいですね。

また、アプリ内でお客さまと連絡が取れるのも嬉しいです。予約をとっていただく際の連絡手段がDMやLINEであるのは珍しくないと思うのですが、それだと「この時間だと寝ているかも?」「こんな時間に連絡するのはどうかな」と気を遣ってくださる方もいらっしゃって。こちらとしても施術中は返信できないので、ラリーが遅くなっていって、予約が確定するまでに時間がかかってしまうことも少なくありません。

「mirre」だとアプリ内でメッセージを確認したら、こちら側でボタンを押すだけで予約確定できるので、お客さまとのやり取りがとても楽ですね。お客さまからも「時間に関係なくメッセージできるから気が楽だし、予約が確定するのが早いから助かる」と言っていただいたことがあります。

─【松嶋】予約が確定するまでにタイムラグがあると次の予定を立てられないので、お互いにとって機会損失のリスクがありますが、それがないというのはメリットですよね。

─【横尾】本当にそう思います。また、「mirre」があることで個人とのつながりを強くしてくれるというのも嬉しいです。チャット機能で事前に詳細を相談できるので、細かくヒアリングすることで、スタイリングのクオリティを上げることができます。やり取りを重ねることで、お客さまとの仲も深まりますね。

─【松嶋】お客さまにとってはもちろん、スタイリストさんにとってもメリットがたくさんあるのですね。

─【松原】「mirre」は、スタイリストさんが主役になれるようなプラットフォームをつくることを前提として開発を進めています。

適切な報酬を受け取れる世界にしたいので、登録してくださってるスタイリストの方々には、自分たちでクーポンの発行や割引はしないようにもお願いしています。「mirre」が負担する形でのクーポンは発行しているので、お客さまには気軽にご利用いただけるサービスになっているのではないかと。

また、2023年9月からはスタイリストさんにチップを送ることができる機能も追加しました。日本はチップに対する馴染みが薄いですが、「mirre」がターゲットとする“価値のあるものを求めていらっしゃるお客さま”には、きっと快く受け入れてもらえる機能なのではないかと考えています。

「mirre」だからこそできる、新たな挑戦に期待!

─【松嶋】今後「mirre」に期待するのはどんなところですか?

─【横尾】1番期待しているのは、AIマッチングの精度向上です。より価値観の合う方とマッチできるようになると嬉しいですね。お客さまの登録者数が増えるほど精度が上がっていくでしょうし、そうすると集客効果もより上がっていくのかなと。

─【松原】AIマッチングについては、私たちとしても精度を上げるために現在調整しているので、期待していただけると嬉しいです。

─【松嶋】そのほかに何かありますか?

─【横尾】抽象的なことになってしまうのですが、大手のプラットフォーマーにはできないことに挑戦してほしいです。大手にしかできないこともあると思いますが、サービス規模が大きいゆえにできないこともあるでしょうし、今の​​「mirre」だからこそできる機能が出てくることを期待しています(笑)。

─【松原】がんばります(笑)。現在考えていることでいうと、税金周りなどについてもカバーできるような、スタイリストさん向けのスーパーアプリができると面白いのかなという案はありますね。

ただ、あまり機能を追加しすぎない方がいいだろうとも考えていて。先述したように、美容業界は新しいサービスが浸透し辛い業界です。使いやすいサービスにするためには、シンプルさを保つことも大切だろうと。

─【松嶋】機能が増えるとアプリの動作も重くなりがちですし、利便性と実用性のバランスを考えるのは非常に難しいところではありますよね。

─【松原】ええ。スタイリストさんが働きやすい環境をつくることを念頭に置いて開発するべきだと考えているので、横尾さんをはじめとするスタイリストの方々にヒアリングをしながら、軸がブレることのないように開発を進めていきたいですね。

─【松嶋】「mirre」のこれからに乞うご期待、ですね。最後に読者に向けてメッセージをいただけますか。

─【横尾】私はブリーチを使ったカラーリングが得意で、お客さまも髪色で遊びたいという方が多く、年齢層は20代~30代後半まで幅ひろく対応させていただいています。ブリーチを使うとなると、派手なスタイルを想像されるかもしれないのですが、ナチュラルに見せることもできます。

例えば、白髪に悩んでいるけれど白髪染めはしたくないという方に向けては、ブリーチでハイライトを入れて白髪をぼかすスタイルを提案させていただくことが多いです。白髪染めは一度染めると伸びてきたところと染めた部分の境界線がはっきりと見えてしまうので、こまめにリタッチする必要があるのですが、ムラになりやすかったり、髪色を変えたいと思っても時間がかかるなど、いろいろと問題もあります。しかし、ハイライトを入れて白髪をぼかすスタイルであれば、オシャレを楽しみつつ、ナチュラルなヘアスタイルにすることができるんです。白髪で悩んでいる方は、ぜひ「mirre」を通してご連絡ください!

─【松原】これからも私たちは、スタイリストさんがより楽しく快適に働けるような環境を整えられるよう、開発を進めていきます。スタイリストさんは最初の3ヶ月間は月額無料でご利用いただけますので、一度「mirre」を試してみていただきたいです。サロンさんは登録するメリットはあれど、デメリットはないと思うので、参画していただけると嬉しいですね。

また、ゆくゆくは英会話やパーソナルコーチングなど、他の業界にも「mirre」の仕組みを提供していきたいなと考えています。興味のある企業さまがいらっしゃれば、ご連絡いただけますと幸いです。

mirre

MIRREは、従来型の美容サロンの立地や価格といったスペック重視型の予約サービスではなく、スタイリスト個人のカット事例や評価をベースに、事前のチャットコミュニケーションを通じた価値共感を重視するマッチング型スタイリスト予約サービスとなります。

mirre
preview

PREV

ユーザー体験を創出し、新たな商品価値の発掘にも貢献。swimmyが提案する“デザインの力”

BACK TO LIST